ホームページ新規開設に当たって。

初めまして、「てんやく絵本ふれあい文庫」の代表を務めている岩田美津子です。そう書くと「てんやく絵本てなあに?」と疑問を抱かれる方も多い事でしょう。今回はまずふれあい文庫の活動の中心であるこのてんやく絵本について説明しましょう。

絵本とは目で見て楽しむものと思っていませんか?そうですね、かつてはそうでした。見えない私が母になった時、子どもに絵本を読んでやることができませんでした。そこで思いついたのがてんやく絵本です。これは書店や図書館に並んでいる普通の絵本に透明なシートを使って文字を点訳して絵本の文字の部分に貼り、絵も同じシートで形を切り抜いて、絵に重ねて貼ったものです。更に、それだけでは絵の様子が分かりにくい時には説明も書き添えます。それによって見えない私が見える我が子と一緒に絵本を楽しめるようになったのです。親子で絵本を楽しむ喜びを知った私は他の見えない人たちにもその喜びを味わってもらいたいと考え、ボランティアを募り、てんやく絵本を作ってもらい、1984年にちいさな家庭文庫を開設しました。それがふれあい文庫の始まりです。

ふれあい文庫は40年に渡ってこのてんやく絵本を全国の必要な人たちに提供し続け、いろんな事業に取り組んできました。「人生山あり谷あり」と言われますが、ふれあい文庫も沢山の壁を乗り越え、沢山の喜びに出会いながら活動を続けています。多くの人にそんな私たちのあゆみを知っていただきたくて、様々なエピソードやふれあい文庫の様子、てんやく絵本のこと、点字つきさわる絵本のこと、更には私にしか書けないかもしれない見えない私の日常生活についてなど、これから少しずつ書いていきたいと思っています。