ふれあい文庫ってなあに?

ふれあい文庫とは

絵本を楽しむ親子

お気に入りの絵本を何回も繰り返し読んでもらった子ども時代。
絵本は文字を覚えるのに役立つだけでなく、そこに描かれた絵の世界を眺めることで、子どもたちの豊かな創造力や感情をも育みます。
そして何よりも、絵本を間にはさんで過ごす時間を持つことで、家族とのふれあいも深まるのではないでしょうか。

でも、子どもが、あるいは絵本の読み手となるお母さんお父さんが視覚障害者の場合、市販の絵本では充分に楽しむことはできません。
「ふれあい文庫」では、そうしたご家族のために手づくりの「てんやく絵本」の製作・貸出しなど活動を続けています。

てんやく絵本ってなあに?

ふれあい文庫の主な事業

1. てんやく絵本の貸出し

年間約5000冊の絵本を貸出しています。
読者の希望や、性別・年齢・季節などに応じた絵本を選んで、無料貸出しを行っています。

2. てんやく絵本の製作

てんやく絵本は、全国のボランティアが自宅で製作しています。
年間250~300冊のてんやく絵本が生まれ、ふれあい文庫は、ほぼ10000冊を蔵書しています。

3. てんやく絵本製作者の育成

ふれあい文庫での直接指導のほか、全国各地の点訳ボランティア希望者には、郵便・電話での通信指導も行っています。

4. 点字つき絵本の出版と普及を考える会の運営と、出版への協力

目の見えない人達の願いは、「点字つきの絵本が、もっと出版されて、近くの書店や図書館で、気軽に手に入れたい 」ということ。
そこで、ふれあい文庫は多くの出版社や印刷会社、研究者に呼びかけて、点字つきの絵本の出版と普及を考える会を運営するとともに、具体的な点字つき絵本の製作にも協力しています。

5. 「ふれあい文庫だより」の発行

てんやく絵本を使う人・作る人・支援してくださる人の輪を広げる目的で年に3回発行しています。
新着のてんやく絵本、皆様からのお便り、ふれあい文庫の活動状況、絵本の一般情報などを紹介。
ふれあい文庫の読者や支援者、全国の点字図書館・盲学校にも無料で配布しています。

6. 各種イベントへの参加と協力

さまざまなイベントへ参加し、てんやく絵本の展示や点字の体験コーナー、ふれあい文庫の活動資料展示など、てんやく絵本への理解や協力を深めていただくための取組みをしています。
また、点字つきの絵本の出版と普及を考える会とも協力して、点字つきさわる絵本とてんやく絵本の合同展示会や講演会の開催にも積極的に取り組んでいます。

ふれあい文庫のあゆみ

1984年(昭和59)4月「点訳絵本の会 岩田文庫」を岩田宅に開設
岩田美津子と犬
1987年(昭和62)7月てんやく絵本の郵送料無料化を働きかけ 参議院で可決、同月実施
1991年(平成3)4月「てんやく絵本 ふれあい文庫」と改称
1992年(平成4)2月絵本をテーマのラジオ番組「岩田美津子の絵本の玉手箱」を制作 / JBS 日本福祉放送にて、2000 年12 月(平成12) まで放送
1995年(平成7)10月大阪市より 「きらめき賞」を受賞
1996年(平成8)10月国内初の点字つき絵本を出版=『チョキチョキチョッキン』を作家の樋口通子氏と「こぐま社」の協力で出版
『チョキチョキチョッキン』表紙と中身の写真
1998年(平成10)4月国際児童図書評議会(IBBY)より「IBBY 朝日国際児童図書普及賞」を受賞。
2002年(平成14)2月「点字つき絵本の出版と普及を考える会」を設立
2004年(平成16)11月寛仁親王殿下ご臨席のもと、「ふれあい文庫」創設20周年記念行事を大阪リーガロイヤルホテルにおいて開催
寛仁親王
2006年(平成18)2月朝日新聞社より 「2005 年度朝日社会福祉賞」を受賞
2009年(平成21)8月銀座・教文館ナルニア国においてふれあい文庫25周年記念展を1か月間開催。
2012年(平成24)1月NPO(特定非営利活動法人)法人格を取得し、新たなスタートを切る
大阪市の地域活動支援センターとして活動を開始。複数の作業所を運営
2014年(平成26)10月毎日新聞社より「毎日社会福祉顕彰」を受賞
11月大阪市中央公会堂において 彬子女王殿下を迎えて、「てんやく絵本ふれあい文庫 創設30周年記念式典」と記念シンポジウムを開催
2016年(平成28)2月住友生命より「未来を強くする子育てプロジェクト」スミセイ未来大賞・文部科学大臣賞を受賞
2022年(令和4)3月伊藤忠記念財団より「2021 年度子ども文庫功労賞」を受賞